蒸し暑い夏、エアコンは生活に欠かせません。
「ドライと冷房、どっちを選べばいいの?」
「つけっぱなしが本当にお得なの?」
「SNSで話題のグッズって安全?」
…こんな疑問を持ちながら、なんとなくエアコンを動かしていないでしょうか?
そこで今回は、プロ主婦マミが三菱電機の霧ヶ峰担当者に詳しくお話を伺い、最新の正しい使い方を整理できたので、この夏の決定版としてまとめます。電気代をムダにせず、家族の健康も守るエアコン活用術、ぜひ最後まで読んでみてください。
除湿と冷房、どちらを選ぶ?

「冷房だと冷えすぎるからドライで」という方は多いですが、その選び方だけでは快適さが足りないことも。
除湿(ドライ)はあくまで湿度を下げる機能で、気温の高い日は室温が十分に下がらず、蒸し暑さが残りやすいことも。
逆に冷房は、室温をしっかり下げるモード。
不快の原因が「温度」か「湿度」かを考えて、モードを選ぶのが、失敗しないコツです。
さらに「冷房だと寒すぎるけど、ドライでは物足りない」というときにおすすめなのが 再熱除湿。
再熱除湿は、空気を冷やして除湿したあとに、冷たい風とあたたかい風を混ぜて、ちょうどいい温度の風にしてから部屋に戻す仕組みです。
普通の除湿モードより室温が下がりにくいため、ジメジメは取り除きながらも冷えすぎない快適さを両立できます。
私も取材を通して「こんな便利なモードがあったんだ!」と感心しました。
なお、再熱除湿という名称は「一般社団法人日本冷凍空調工業会」が「再熱除湿方式とはこういった方式の除湿方式である」と定めており、きちんとした仕組みが搭載されている機種にしか表示できないルールになっています。
「ソフトドライ」など似た表現はメーカーごとに異なるので、購入時は説明書や仕様書をよく確認してください。
エアコンのつけっぱなし、正解は?

SNSなどで「24時間つけっぱなしが安い」と見たことはありませんか?
霧ヶ峰の担当者によると、30分程度の外出なら切らない方が効率的ですが、数時間の外出なら一度止めるのがおすすめ。
エアコンはスイッチを入れたときに大きく電気を使うため、短時間の外出で何度もオンオフするよりはつけっぱなしの方が電気代を抑えられます。
ただし数時間留守にするなら、停止して再度稼働させた方がトータルの負担は軽いとか。
私も以前は「もったいない」と思ってちょこちょこ切っていましたが、帰宅後に一気に強冷風で部屋を冷やし直し、余計に体に負担がかかることもありました。
短時間外出はつけっぱなし、長時間は切る。このルールを覚えておくと、体にもお財布にも優しいですね。
自動運転をもっと信用しよう

自動運転モードを活用したほうが、じつは効率的
「風量は自分で調整した方が節電になる」と思い込んでいませんか? 実は、エアコンの自動運転モードを活用したほうが、効率よく快適な室温を保てて、無駄な電力を抑えることができるんです。
たとえば、風量を自動に設定すると、
- 室内が冷えるまでは強風で一気に冷やし、
- その後は弱風に切り替えて快適な状態をキープ
といったかたちで、エアコンが効率よく運転してくれます。
冷える前から弱風にしてしまうと、部屋の空気がうまく循環せず、冷えるまでに時間がかかってかえって電力を多く消費してしまうことも。風量はエアコンにまかせた方が、トータルで見て節電になります。
また、センサー機能による温度ムラの解消も、自動運転のメリットのひとつです。冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まりやすいため、室内にはどうしても温度ムラが発生しがち。人が感じている体感温度と、エアコンが検知する温度にギャップがあると、冷やしすぎてしまうこともあります。
三菱電機の一部機種では、床温度まで検知して調整する「ムラなし運転」が搭載されており、こうしたムダを防いでくれます。
さらに、人感センサーを搭載したモデルであれば、「風あて」「風よけ」も自動で調整可能。たとえば三菱のFZ、Zシリーズでは、人の温冷感に合わせて自動的に風向きを切り替える機能があり、快適性を保ちながら余計な運転を抑えることができます。
風向きの設定で快適さアップ

冷房の風が体に当たるのが苦手で、上向きやスイングにしている人も多いですよね。私も以前はそうしていましたが、実は風向きの設定ひとつで冷房効率や快適さが大きく変わるのです。
三菱電機の担当者によると、目的に応じて風向きを使い分けることが、節電や快適さのカギになるとのこと。
- 節電したいときはスイング運転
→風を人に向けてスイング運転することで体感温度が下がり、必要以上に設定温度を下げずに済みます。手軽にできる節電アクションとしておすすめです。 - 肌寒さを感じるときは水平送風
→冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まりやすいため、風向きを水平に設定することで部屋全体に冷気をムラなく届けることができます。風が直接体に当たりにくくなるので、冷えすぎを防ぎながら快適に過ごせます。
このように、「風向きはこうすればいい」と一律で決めるのではなく、自分の感じ方やシーンに合わせて調整することがポイントなんです。設定を少し見直すだけで、冷房効率も快適さもぐっとアップしますよ。
部屋干しの生乾き臭もエアコンで対策

梅雨から夏の悩みといえば、部屋干しのニオイ。
実はエアコンの除湿モードと風量設定を活用するだけで、わざわざ除湿機を出さなくても洗濯物をしっかり乾かせます。
ポイントは部屋全体の湿気を下げながら、空気を循環させること。
洗濯物に直接風を当てる必要はなく、除湿モードで湿度を60%以下に保ちながら風量を強めにしておくだけでも十分。
部屋干し臭の原因菌は湿度の高さで増殖しやすいので、湿度管理を意識するだけでイヤなニオイを防げます。
室外機カバーの注意点

節電のために室外機にアルミのカバーをかける方も増えていますが、これも注意が必要です。
直射日光を避けるために上にだけカバーをかけるのはOKですが、側面や前面までぐるりと囲うと空気の流れを妨げ、冷房効率を下げることも。
霧ヶ峰の担当者からも「吸排気を妨げないように」との注意をいただきまし。選ぶときには「風通しが確保できる構造か」をよく確認してください。
市販のエアコン洗浄スプレーはNG!

手軽に見えるエアコンクリーナースプレー、私も一度は手に取ったことがあります。
でも実はこれ、国の製品評価機関(NITE)も「内部洗浄には適さない」と警鐘を鳴らしています。
スプレー剤が基板に付着してショートや火災のリスクがあったり、液が残ってカビやサビの原因になったりする可能性が高いからです。
メーカーの取扱説明書でも「内部清掃は専門業者に」と案内しているケースが多いので、自己判断でのスプレー使用は避けましょう。
プロに任せるのが結局コスパ的にも安心です。
SNSよりまず説明書を読もう!
SNSでは「100均アイテムで節電!」「裏ワザ!」といった情報が魅力的に見えます。
でも霧ヶ峰の担当者にあらためて言われたのが、
「まずは説明書をちゃんと読むのが一番の節電テク」ということ。
最新エアコンには便利な機能が多く搭載されていて、使いこなせないのは本当にもったいない!
私も今回の取材で、説明書に「再熱除湿」や「ランドリー機能」などの便利な機能がしっかり書かれているのを見て「読めば暮らしが変わる!」と改めて感じました。
ぜひ一度読み返してみてくださいね。
まとめ
ここまでまとめると
✔ 除湿と冷房を目的で選ぶ
✔ 再熱除湿の仕組みを知って活用する
✔ 短時間の外出はつけっぱなし、長時間はオフ
✔ 自動モードで無駄を減らす
✔ 風向きを水平にする
✔ 部屋干しは除湿+風量活用
✔ 室外機カバーは上だけ
✔ スプレーはNG
✔ 取扱説明書を読む
この9つを意識するだけで、エアコンの快適さも電気代も大きく変わります。
「Yahoo!から来ました!」という方も、こちらでより詳しく深掘りした内容を読んで、明日からの使い方を変えてもらえたらうれしいです。
この夏は「考えて使うエアコン」で、ムダのない快適生活を楽しみましょう。
取材協力:三菱電機 霧ヶ峰 担当者の方
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