夏になると毎日使う日焼け止め。肌を紫外線から守ってくれる大切なアイテムですが、実は衣類トラブルの原因にもなっているのをご存じですか?
「白いシャツについた汚れが落ちない」「漂白したのにピンク色になった!」という声もよく聞かれます。
その原因は、「日焼け止め」と「漂白剤」の相性にあるかもしれません。元家政婦の筆者が、夏の漂白剤トラブルと正しい使い分けについて詳しくお伝えします。
日焼け止め汚れに塩素系漂白剤を使うと、なぜピンク色に?

日焼け止めには、酸化チタンや酸化亜鉛などの「金属系成分」が含まれているものがあります。これらの成分が衣類に付着した状態で、塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチなど)を使うと、化学反応によってピンク色に変色することがあります。
これは、金属成分と塩素が反応してピンク色の化合物ができるため。白くなるはずが逆に色づいてしまう…なんて本末転倒ですよね。
「時間がたてば元に戻る」って本当?
SNSなどでは「ピンクになっても時間が経つと元に戻る」という声もありますが、これは一部本当で、一部ウソ。
塩素が時間とともに揮発・分解することで色が薄れることはありますが、すべての生地で元通りになる保証はありません。
素材や汚れの度合いによっては、ずっとピンクのまま残ってしまうこともあります。
漂白剤は「酸素系」と「塩素系」がある!まずは正しい知識を
漂白剤には大きく分けて2種類があります。
● 酸素系漂白剤(オキシクリーン、ワイドハイターなど)
- 主成分:過炭酸ナトリウム
- 色柄物にも使える
- 40〜50℃のお湯で活性化し、漂白・除菌・消臭効果
- 衣類や布マスクなど、やさしく洗いたいもの向け

私は、ドン・キホーテの酸素系漂白剤「オキシシャイニー」を使っています。商品について詳しくはこちらの記事もご覧くださいね。
● 塩素系漂白剤(キッチンハイター、ブリーチなど)
- 主成分:次亜塩素酸ナトリウム
- 強力な漂白・殺菌効果
- 白物専用。色柄物には不向き
- まな板、排水口、ふきんなど「白くて傷まないもの」向け
名前や見た目が似ていても、使い方を間違えると逆効果になることがあるので注意が必要です。
夏にありがちなNG行為と、正しい対処法
❌ NG例:「白いシャツに日焼け止めがついていたので、塩素系漂白剤で漂白した」
➡ ピンク色に変色する可能性大!
✅ 正しい方法はこちら:
- 日焼け止めがついた衣類は、できるだけ早く洗う
- 固形石けんや中性洗剤で軽く予洗い
- 酸素系漂白剤を40〜50℃のお湯で溶かし、つけ置き
- 通常どおり洗濯する
それでもピンクになってしまったら…
焦らず、以下の方法を試してみてください。
- すぐに水ですすぐ
- 液体洗濯洗剤を直接つけてしばらく置く
- それでも落ちない場合はクリーニング店に相談を
また、完全に元に戻るとは限らないため、早めの対応がカギになります。
「混ぜると危険!」塩素系漂白剤の注意点もチェック

塩素系漂白剤は、酸性洗剤(クエン酸・お酢など)と混ぜると有毒な塩素ガスが発生します。
ナチュラルクリーニング派の方でも、組み合わせには十分注意を!
また、酸素系・塩素系を連続使用する際も、しっかりとすすいでから使いましょう。
元家政婦の「夏の漂白ルーティン」
私が家庭で実践しているのは次のような使い分けです:
- 衣類の汗ジミやニオイ → 酸素系漂白剤+お湯でつけ置き
- まな板や排水口 → 塩素系漂白剤で短時間除菌
- 白いふきん → 塩素系漂白剤を薄めて5〜10分浸け置き
- ラベルで保管を明確に:「衣類用」「キッチン用」など分ける
まとめ:夏の衣類トラブルは「知識」で防げる!
日焼け止め汚れに塩素系漂白剤を使ってはいけない。このシンプルなポイントを知っておくだけで、大切な白シャツを守ることができます。
漂白剤はとても便利なアイテムですが、「何に」「なぜ」使うかを意識することが、夏の家事トラブルを減らすカギです。
紫外線対策も衣類ケアも、どちらも妥協せず、快適な夏を過ごしていきましょう。
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