家の中でも特に衛生面が気になる場所といえば「トイレ」。毎日家族が使う場所だからこそ、いつも清潔にしておきたいですよね。こまめに掃除しているつもりでも、実はやり方を間違えていると逆に不衛生になってしまうことがあります。
その代表例が「トイレの床に掃除機をかける」こと。SNSでも「知らなかった!」「やってしまっていた」という声をよく見かけます。主婦歴25年・元家政婦の筆者が、トイレに掃除機を使うことがなぜNGなのか、そして正しい床掃除の方法について詳しく解説します。
トイレの床に潜む「見えない汚れ」とは?

一見きれいに見えるトイレの床ですが、実は目に見えない汚れが多く潜んでいます。代表的なのが以下の3つです。
- 尿の飛び散り
特に男性が立って用を足すご家庭では、尿が床に飛び散り、乾燥してから汚れや雑菌として残ることがあります。 - ホコリと湿気
トイレは狭い空間に換気扇があるため空気の流れが弱く、湿気がこもりやすい場所。その結果、ホコリが床に落ちやすく、尿や水はねと結びついて雑菌の温床になります。 - 菌やウイルス
ノロウイルスなどの感染症も、トイレを介して広がることがあるといわれています。床に潜む目に見えない汚れは、思っている以上に深刻なのです。
掃除機をかけるとどうなる?

そんな床に掃除機をかけてしまうと、2つの大きなリスクが生まれます。
排気で菌を拡散する
掃除機は床のゴミを吸い取る一方で、排気口から空気を勢いよく吐き出しています。このとき、床に潜んでいた菌やホコリも一緒に舞い上がり、トイレ全体や家中に拡散してしまう可能性があります。
最近はHEPAフィルターなど高性能な掃除機もありますが、それでも完全に菌やウイルスを除去できるわけではありません。衛生面を考えると、トイレの床に掃除機をかけるのはやはり避けたいところです。
ノズルから他の部屋へ菌を運ぶ
もうひとつの問題は、掃除機のノズルやヘッド部分。トイレの床を掃除したあと、そのままリビングや子ども部屋をかけると、トイレの菌を家中に持ち運ぶリスクがあります。せっかくきれいにしたつもりが、逆に汚れを広げることにつながりかねません。
正しい掃除法は「拭き掃除」

では、トイレの床はどう掃除するのが正解なのでしょうか。答えはシンプルで、「拭き掃除」です。
拭き掃除なら、菌を拡散させずにピンポイントで除去できます。ただし、正しく行わないと効果は半減してしまいます。ポイントを見ていきましょう。
ステップ1:乾いたホコリは乾いたもので取る
床にホコリがある状態で、いきなり濡れた雑巾やシートで拭くのはNGです。ホコリが水分で固まって伸び、かえって汚れを広げてしまうからです。
まずはフローリングワイパー用のドライシートやハンディモップで乾いたホコリを取り除きましょう。
ステップ2:除菌シートで拭く
乾いたホコリを取ったら、次は除菌シートやトイレ専用クリーナーシートで床を拭きます。使い捨てタイプを使えば、雑菌をシートごと処分できるので安心です。便器の周りや壁際など、尿はねが多い場所は特に念入りに。
ステップ3:仕上げにアルコールでサッとひと拭き
さらに衛生面を強化したい場合は、アルコールスプレーを軽く吹きかけて布やシートで拭き取るのもおすすめです。速乾性があるので、水分を残さず仕上げられます。
⚠️ 注意:ただし、便座やフタなどの樹脂部分はアルコールに弱いことがあります。変色やひび割れの原因になるため、必ずトイレの取扱説明書を確認し、使用可能かどうかを確認してから使いましょう。
よくある疑問に答えます
Q. 布雑巾で拭いてもいい?
布雑巾は繰り返し使える一方、菌が残りやすく管理が大変です。できれば使い捨てシートを利用する方が衛生的。布雑巾を使う場合は、使用後に熱湯消毒や漂白剤でしっかり除菌しましょう。
Q. 毎日やらなきゃダメ?
毎日拭ければ理想ですが、忙しい日常では難しいですよね。最低でも週1〜2回の拭き掃除を習慣にするのがおすすめです。気になるときは便器まわりだけでも拭いておくと安心です。
Q. どうしても掃除機を使いたいときは?
基本的には避けたいですが、もしどうしても使うなら「トイレ専用ノズル」を用意し、ほかの部屋と分けて管理すること。さらに使用後はアルコールでノズルを拭き取るなどの工夫が必要です。
おすすめアイテム
- トイレ用使い捨てクリーナーシート
1枚でしっかり拭けて除菌もできるタイプが便利。掃除後は捨てるだけなので衛生的。
- ブラシ不要のトイレ用洗剤
便器掃除にはブラシを使わず、洗剤をかけて流すタイプを愛用しています。ブラシ自体を置かないので、雑菌が繁殖しにくいのもメリットです。
- 床用ワイパー+ドライシート
屈まずにサッと床掃除ができるので、忙しい日でも負担なく続けられます。
まとめ:トイレに掃除機はNG!拭き掃除で清潔を守ろう
トイレの床は一見きれいでも、目に見えない汚れや菌がたくさん潜んでいます。そこに掃除機をかけると、
- 排気で菌を拡散させる
- ノズルを通じて家中に菌を運ぶ
といったリスクが生まれます。清潔に保つためには、掃除機ではなく拭き掃除が正解。
乾いたホコリは乾拭きで取る → 除菌シートで拭く → 必要に応じてアルコールで仕上げる。この流れを習慣にすれば、トイレを衛生的にキープできます。
忙しい日常でも無理なく続けられる方法を取り入れて、家族が安心して使えるトイレ環境を整えましょう。
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